【街の記憶】お不動様の縁日
当店は板橋宿不動通り商店街に面している場所にあります。この街はかつて宿場町と栄えその後賑やかな商店街として栄えました。その名残は微か続いていることがあるので一つ紹介します。
当店のお向かえさん「但馬煎り豆店」では毎月1日の日、
何故か、お豆が普段よりちょっと安く売られています。
聞いてみると「縁日があったからだよ」と教えてくれました。
この界隈は「お不動さまの縁日」が日常的に開催されていて
毎月「1日、15日、28日」と月3回もあったそうです。
当時は車両通行止めもあって道が歩行者で溢れていたんですね。賑やかさが写真からも伝わってきます。
昨年、「街の記憶」を色々な商店の方に聞く機会がありました。そこで同じ商店街にある"肉の上原"のご主人から縁日の様子をお聞きしたことがあります。その他の方にも当時の印象に残っている"街の記憶"を聞くと「縁日」と答える方が沢山いらっしゃいました。
「飴細工」「植木屋」「ブリキのおもちゃ」「焼きとうもろこし」その他、色々な露天商が出ていて沿道全て活気に溢れていたようです。
↑地図にも縁日と記載がしてあります。
「売り口上」が楽しくて仕方なかった事。
お店ごとに口上が違って、踊りながらバナナを売っていた人もいたらしい。物が買えなくても聞くのがいつも楽しみで、少年の頃に覚えたセリフは全部覚えてらっしゃって全部教えてくれました。屋台それぞれにガス灯の明かり、並ぶ風景が綺麗でカーバイドの匂いも記憶に残り、そしていつも人の熱気があった。皆さんには「残して欲しい、復活させて欲しいもの」をお伺いに行ったのだけど、「縁日」の話をしている時のお話に熱を感じました。「とにかく色々な人がいて楽しかった」と。縁日は五感全部で楽しめるエンターテイメントでもあったんだなと感じました。日常にそんな日が何回もあるって今はあまりないですよね。
残念ながら今はもう開催されていませんが、但馬屋さんではその名残でずっと変わらず1日はそうしてきたそうです。"何気なく変わってない"感じがなんだか素敵だなと思いました。
おとなりスタンド&ワークスは「近くにあるもの」「元々あったもの」に価値を見出していくことが大好きです。身の周りの普段何気なく目にしているものを面白がったりしながら。
当店には地域の人しかきません。その中でも昔のことを知っている人もいれば最近暮らし始めた人もいます。ここに行き交う人達と「街の素敵なこと」を共有していきたいと思っています。とりあえず「なんだこりゃ?」から始まることをこの場所に散りばめていきたいと思っています。
という事で当店で販売している「但馬屋さんの塩落花生のせアイス」
毎月1日と15日に「ラッピークッキー」を添えてみたいと思います。
ラッピーはこの商店街のマスコット。店舗ごとに違うポーズをした看板があったりと子供達の人気者(たぶん)。これまた変わらずにずっとこの街にあったものです。
↑当店は元牛乳屋さんなので牛乳。
↑その他も店舗ごとに違います。
今まであったものを"ただ面白がる"そんな感覚で。
1日、15日。縁日はないけど名残を面白がりましょう。
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※ちなみにクッキーはひとつひとつ手づくりなので、無くなり次第終了の場合がありますのでその時はゴメンナサイ!!
※単品ラッピークッキーも作ってます。